「オレ、おまえのおっぱい好き」
そう言って由宇《ゆう》くんは、両手でおっぱいをむにゅむにゅすると、すぐに先っぽをナメはじめた。
「きょうはしないって言ってたくせにぃ……」
「だって……したくなっちゃったんだもん……しょうがないだろ」
由宇くんは答えるのも面倒というふうで、乳首を口に含んで、ちゅぱっ、ちゅぱっ、吸っている。
「いやっ」
と小さく声をだし、からだをよじりつつ、もちろんわたしは拒んでいるわけではない。
イヤがるじぶん、なおも迫る彼。そういう役にハマると、盛り上がっておもしろいから拒んでいる。
由宇くんもそのあたりのことをよくわかっているのか、わたしがいやいやを繰り返すと、
「じゃあ、やめる?」
急にくちびるを離し、意地悪をする。
やめられるわけないじゃない。パンツのなかだって、濡れ濡れだっていうのに。
「んもう」
怒ったふりをして彼の頭を抱きしめた、そのときだ。ケータイが鳴ったのは。
メールの着信音。
いつもなら、エッチの最中に、ケータイの、しかもメールの着信に、ことさら反応することはない。簡単に無視する。電話でさえもそうだ。
きょうも放っておこうとしたのだが、ふいに首の向きを変えたとき、ケータイの液晶に「from 翔子さん」の文字が浮かんでいるのが見えた。
さては、なにか進展があったのかも……。
「ねえ、由宇くぅん、がまんできないのぉ」
わたしはひときわ甘めの声をだし、パンツをおろしてもらい、彼を導き入れた。
メールが読みたくて読みたくて、急ピッチでエッチをすませたわけだ。
な・の・に!!
「変化なし。マジうぜえ~(涙)」
翔子さんからのメールはそれだけだった。
あせってエッチしたぶん、損した気がする。
けれど、あしたは午後からバイト~!
そう思うと、胸がうずうずしてきて、損した気分なんて吹き飛んでしまう。
バイトに行けば、早番が多い翔子さんとも、水紀《みずき》さんとも会える。調理場のごっちんはどうだったかな。遅番じゃないといいな。
楽しみがふくらんでくると、由宇くんのアパートを出てバスに乗っているというのに、エッチの余韻で、スカートのなかがしびれてくるみたいだった。
プティまり vol.2
『プティまり』は、ケータイ&PCで読める☆大和ナデシコ御用達の電子マガジン。要チェキ! 『源氏物語』の超わかりやす~い抄訳をはじめ、源氏が現代によみがえるドキドキ恋愛小説、好評girls storyも連載中。アイドル追っかけエッセイや演劇コラム、みずみずしい童話も初登場→すべて書き下ろしのオリジナル作品です。コレ1冊で読書時間がハートセレブに変わり、教養も話題も身につく、めっちゃオンリーYOUな「読みもの雑誌」!!
抄録
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